誤嚥性肺炎を予防する物質と食べ物

食べ物を食べた時にむせる。このような症状が頻繁に有るという方は誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなるので注意が必要です。

今回は、どうして食べ物を誤嚥してしまうのか?そのメカニズムと危険性、さらに誤嚥性肺炎を予防する物質と食べ物を紹介します。

誤嚥性肺炎が発症する原因

通常は口から食べた物を飲み込むと食道に流れていきます。ですが、飲み込む力が衰えると食べ物の一部が肺に繋がっている気管に入ってしまいます。その現象が誤嚥です。

食べ物が気道に入ってしまう誤嚥は日常で良くある事なのであまり気にしていないという方も多いかと思いますが、実は、毎年10万人以上が肺炎で亡くなっていますが、その多くが誤嚥が原因の誤嚥性肺炎だと言われています。

誤嚥性肺炎は、飲み込み力が低下し誤嚥を何度も繰り返すのが原因で発症しますが、怖いのは食べ物が気管に入った時はむせたりはしますが、痛みとか辛さと言った自覚症状が無いので気が付かない間に肺炎になってしまっている事が多ことです。

この誤嚥性肺炎は、肺炎の一種で加齢と共に以下の割合で増加してしまうそうです。

【肺炎の中での誤嚥性肺炎の割合】

  • 60代では半数
  • 70代では7割以上

誤嚥性肺炎は50代から急上し、肺炎患者数の約20%が誤嚥性肺炎と言う報告もあるそうです。

何故、気管に入ってしまうのでしょうか?誤嚥のメカニズム

食べ物を飲み込む喉では、胃に繋がっている食道と肺に繋がっている気道(気管)の2つの道に分かれています。

肺につながっている気道(気管)の入り口には、肺に食べ物が入らないようにフタの役割をしている「喉頭蓋」があります。

喉頭蓋の役割

人間は呼吸をして生きているので喉頭蓋は常に開いていますが、食べ物を食べた時だけ気道に入らないように喉頭蓋が閉まり、食べ物が食道にスムーズに流れるようになっています。

実は、この時、食べ物が喉に入って来たことを感知して脳に伝えている神経伝達物質「サブスタンスP」が、喉と脳を繋いでいる神経に存在していて、サブスタンスPが脳や脊髄に信号送る事で喉頭蓋が閉まるようになっています。

ところが、サブスタンスPが減少してしまうと、食べ物が入って来た事を感知できなくなり、脳への伝達が不十分になり喉頭蓋が閉まらない為、気道に食べ物の一部が入ってしまう誤嚥が起こります。

誤嚥を放置していると肺炎になるリスクが高くなる

このような誤嚥を繰り返すと、気管に入ってしまった食べ物は肺に入っていきます。すると、食べ物と一緒に入ってしまった細菌が繁殖して肺炎を引き起こしてしまうのです。それが誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎の問題点は、肺炎自体は抗生物質などの薬で治すことはできますが、食べ物が入って来たことを感知する能力の衰えを改善する方法が確立されていない為、何度も誤嚥を繰り返し肺炎を引き起こしてしまうことです。ですので、飲み込み力を落とさないことが重要になります。

飲み込み力を高める物質「サブスタンスP」

そこで、注目されている物質がサブスタンスPです。サブスタンスPは、人間の全身さまざまな神経にある神経伝達物質で痛みなどの情報を伝えています。

このサブスタンスPが多い人は飲み込み力が正常で、少ない人は飲み込み力が低下していることが最近の研究で分かってきたそうです。

さらに、サブスタンスPが減少する原因に無症候性脳梗塞が関係している事が分かってきたそうです。

サブスタンスPと無症候性脳梗塞の関係

無症候性脳梗塞とは、命に関わる重大な症状を引き起こす脳梗塞ではなく、脳の血管の中でも細い血管が塞がれて起こる脳梗塞です。壊死するのは極小さいため自覚症状がほとんどありません。ですが、無症候性脳梗塞は中高年の4人に1人が患っているそうです。

無症候性脳梗塞が起こる場所は、脳の中心部の細い血管で、実は脳の中心部は、サブスタンスPの材料がつくられている場所なんです。その場所に、小さな脳梗塞ができるとサブスタンスPの材料が減少してしまい。誤嚥が起こしやすくなると考えられています。

飲み込み力をアップする物質「サブスタンスP」を増やす方法

佐々木先生の研究チームにより、サブスタンスPを増やす食材が分かってきたそうです。

唐辛子などの多く含まれているカプサイシンを1日4,5μg(小瓶1ふりに以下の量)摂取したところ、1か月で飲み込み力が2~4倍も活性化し正常レベルに回復したそうです。

カプサイシンに含まれる辛味成分を摂ると、喉の神経に存在しているサブスタンスPが感知して活性化して増加します。その結果、脳に伝える神経物質がスムーズになり飲み込み力がアップするそうです。

また、黒こしょうも同じような効果があるそうです。毎日の食事に一振りかけて食べるといいかもしれません。

〔※たけしの家庭の医学より、東北大学医学部老年科名誉教授 仙台富沢病院 院長 佐々木秀忠先生の解説を参考にまとめています。佐々木先生は、30年以上も肺炎や老化に関わ病の研究や治療を行ってきました。中でも誤嚥性肺炎の予防や研究には心血を注ぎ行ってきたエキスパート。〕

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